レビュー

[展示] 柴田 敏雄 写真展「Bridge」

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(写真は展示を見たあとで近場の構造物が気になり筆者が撮影したものです)

建築家ローラン・ネイ氏からの依頼でネイ氏設計の橋を柴田敏雄氏が撮影するというプロジェクトの写真展。写真集「日本典型」などで、これまでも橋やダムなど構造物を撮影してきた柴田氏ですが、設計者からの依頼ということなので、従来の作品と違うのか同じなのか、見る前からそんなことが気になりました。

展示は5月17日まで。なお、今回の展示に合わせて、橋の設計者ローラン・ネイ氏と柴田敏雄氏の講演会が5月14日にあるそうです(詳細は後方に)。

柴田氏の作品を網羅的に見てきたわけではありませんが、これまでの写真から橋の全体を俯瞰して撮影しているのだろうかと想像していましたが、全くそうではありませんでした。全部で11箇所の橋の写真がありましたが、橋脚のアップ、色々なパーツのアップ、橋の欄干部分(と言ってよいと思うのですが)と風景など、ディテールにこだわった写真が特徴的でした。また、カラーで大きいサイズというのも「日本典型」からは想像できないものでしたが、2008年に開催された東京都写真美術館での回顧展のリポート記事によると、2004年くらいからカラーで撮影されているとのこと(ちなみに、リポート記事面白いです)。

見て思ったのは、橋の写真というよりも、ネイ氏の作品の写真というか、かといって建築写真風な面持ちではなく、橋のポートレートとでも言ったらよいのでしょうか、そんなことを感じました。例えば、橋の端正さを感じる写真、パーツと風景が作る構図の面白さを感じる写真、人気のない夜の橋脚が何か別の生命体のようにも見える写真などなど。

ネイ氏についても詳しくありませんが、それぞれの橋は同じ人が作ったとは思えないほどデザインがバラバラで、橋の形にも色にも遊び心を感じ、その反面、パーツのアップなど見ると徹底的にデザインされているように思いました。ギャラリーに掲示されていた解説にあった、ネイ氏の「ことの成り行きに制作を委ねる感覚」が反映されているのかもしれません。

また、今回の写真はキャノンのデジタルカメラとプリンターで制作されたとのことですが、入力から出力まで一貫して同じメーカーで行える強みを見たような気もしました。

■柴田 敏雄 写真展「Bridge」
会期:2016年3月31日〜5月17日 10:00-17:30(日・祝休み)
会場:キャノンギャラリーS
展覧会サイト:
http://cweb.canon.jp/gallery/archive/shibata-bridge/

■講演会
日時:2016年5月14日(土)13:30-15:00
会場:キャノンSタワー3階 キャノンホールS
入場料:無料
定員:先着300名
(上記、展覧会サイト上の申し込みフォームより申し込み可能)